美術鑑賞手帳

主に美術館巡りの記録。たまに雑記。メインはインスタ@dillettante.7

岡上淑子展

庭園美術館岡上淑子 沈黙の奇蹟に行ってきた。

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祝日明けの火曜日。

顔真卿、奇想の系譜、小原古邨にふられて、久しぶりの庭園美術館に。

確かクリスチャン・ボルタンスキー以来かな。

ボルタンスキーの時は、館のどこからか囁き声が聞こえてきたり、録り溜めた人の心音が鳴っていたりと、結構、幽霊屋敷的雰囲気で、それはそれで面白かったんだけど、今回も旧朝香宮邸という立地がよく生かされた展示だった。


岡上さんの作品とアール・デコ調の邸宅の雰囲気が合っていて、作品と現実の空間の境界線が曖昧になるよう。

その上時々、ディオールバレンシアガのドレスが部屋にひっそりと佇んでいて、オートクチュールのドレスを着た首の無いマネキンたちは、そのまま作品から抜け出してきたみたいだった。

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展示では、本館を劇でいうマチネ、新館をソワレに例えていたけれど、個人的に本館の方は、まるで美しい魔物が集う、奇妙な舞踏会にこっそり紛れ込んでいるようで楽しかった。


この雰囲気は、普通の美術館では中々出せないだろうな。余韻に引き摺られて、思わず図録を買ってしまった。

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